納骨式では喪主の挨拶が必要となり、挨拶のタイミングによって伝えるべき内容が異なります。
当日の流れや納骨式後のお礼など、マナーを守りつつ粛々と進めなければなりません。
近年は家族だけで納骨式をおこなうこともあり、事前の案内状などはトラブルを避けるためにも必須です。
ここでは、納骨式までにおこなうべきことから当日の流れ、納骨後のお知らせなど、当日必要となる挨拶の例文を含めてご紹介します。
目次
納骨式の挨拶はいつする?
納骨式の当日、挨拶のタイミングは2回あります。一般的に喪主からの挨拶で、納骨式の始まる前と会食時です。
ただし、宗派や地域性によっては独自のしきたりでおこなわれる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
納骨式を始める前に挨拶をする
納骨式前の挨拶は、喪主がおこなうことが一般的です。納骨式をおこなう準備ができた時点で、参列に対する感謝の言葉とともに、当日の流れを簡単に伝えて挨拶をします。
納骨式のあとに会食を予定していても、納骨式前なら最後まで参列できない人への挨拶へも含めて、参列に対する感謝の思いが伝えられます。挨拶では、無駄や不必要な言葉をなくし、冗長にならないよう心掛けましょう。
会食が始まる前に挨拶をする
納骨式のあとに会食を予定している場合、喪主は会食時の献杯で、参列者へ向けて挨拶をします。挨拶の内容は、納骨式が無事終えられたことへの感謝の気持ちや、今後も変わらぬおつきあいをお願いする程度に留めておきましょう。
会食のときは住職がいらっしゃらない場合もありますが、砕けた話し方は避け、故人の思い出話をするなら、会食が始まってから個々で話をするようにしましょう。
納骨式の挨拶の内容は?例文も紹介
納骨式でおこなう挨拶で悩む喪主は多いのではないでしょうか。注意点などはのちほど解説しますが、まずは、納骨式の挨拶で失敗しないよう、例文を参考にしてみてください。
また、事前に原稿を用意し、読みながら挨拶をすることもできますが、原稿に注視しすぎず、参列者へ顔を向けることも意識しておきましょう。
納骨式の前に挨拶をするときの例文
葬儀や納骨式へ参列していただいたことへの感謝の言葉や、遺族の近況を参列者へ伝える内容が好ましいでしょう。
【例文】
本日はお忙しいなか、亡き父の納骨式にご列席いただき、誠にありがとうございます。
葬儀、四十九日の法要では、皆さまにお世話になりましたこと、改めてお礼申し上げます。
私たち家族も、少しずつではありますが前を向けるようになり、家族で力を合わせていくことが、何よりも亡き父への供養だと思っています。
納骨式のあと、ささやかではございますが、お食事を用意しております。お時間が許す限り思い出話に花を咲かせていただけましたら幸いです。
会食前の献杯で挨拶をするときの例文
会食の献杯では喪主が挨拶をしますが、納骨式前の挨拶に一言プラスするようなイメージを心掛け、長くなりすぎないようにしましょう。
【例文】
本日はお忙しいなか、亡き父の納骨にお集りいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、滞りなく納骨をすませることができました。
父が他界してから早くも半年が過ぎようとしています。
生前の闘病生活の時から今まで、皆さまのお力添えには深く感謝しております。
まだ父のいない生活には慣れていませんが、今日の納骨式を境に、母とふたりの生活に目を向けていきたいと思います。
皆さまにおかれましては、亡き父の生前と同様、変わらぬおつきあいを賜りますよう、よろしくお願いいたします。
本日は、気持ちばかりの食事をご用意しております。お時間の許す限りお寛ぎいただき、亡き父の思い出話をお伺いできれば幸いです
本日は、誠にありがとうございました。
納骨式の挨拶で喪主が伝えるべきことや注意点
納骨式における挨拶は、特段決まった方法がないため、伝えたい内容を挨拶にしても問題はありません。しかし、伝えるべき言葉や避けるべき言葉もあることが事実です。目上の人への失礼な態度を避けるためにも、事前に確認しておくようにしましょう。
参列者への感謝の気持ちを伝える
忙しい時間をぬって参列していただいた方々へ、感謝の言葉を伝えることを忘れてはなりません。しかし、使い慣れない難しい言葉は、なかなか思うように出ない場合もあるでしょう。そんなときは、簡潔にお礼の言葉を伝え、丁寧にお辞儀をして感謝の気持ちを伝えましょう。
故人の気持ちを代弁する
地域や宗教によるしきたりを重視することも必要ですが、故人の冥福を祈る場でもあります。可能な限り故人の気持ちを代弁したり、要望を叶えたりする言葉を意識しておくべきです。
たとえば、闘病生活への無念さや周囲への感謝の気持ち、故人が明るい葬儀を要望していたことなども、喪主の挨拶で参列者へ伝え、故人の遺志を尊重して冥福を祈りましょう
遺族の近況報告をする
喪主の挨拶では、故人の納骨を終えるまでの近況や、これからの生活について触れ、今後も変わらないおつきあいをお願いすることも伝えておきましょう。納骨に参列するのは近しい身内のため、必然的に今後のつきあいが必要となります。
身内に目上の方がいらっしゃる場合は、とくにつきあいをお願いする立場にあるため、失礼にあたらないよう、近況報告とともに言葉にしておくべきです。
忌み(いみ)言葉に留意する
法要や法事では、忌み言葉を避けておかなければなりません。マナーを守るためにも、喪主の挨拶で忌み言葉を使わないよう意識しておくことが大切です。
一般的な忌み言葉には、以下のようなものがあります。
- ●消す
- ●壊す
- ●去る
- ●重ね重ね
- ●戻る
- ●頼りない
- ●いろいろ
- ●わざわざ
- ●次々
- ●引き続き
- ●急死
宗教によっても違いがありますが、不幸や死を連想させるような言葉は忌み言葉となるため、事前に確認しておくと安心です。
納骨式当日の挨拶までの流れについて
納骨式当日は、喪主の挨拶などもあり、緊張や不安を感じる場面が多くなることでしょう。しかし、事前に当日の流れを把握しておけば、少しでも不安を和らげることができます。
納骨式前の喪主の挨拶
納骨式を始める準備ができたら、参列者に対して喪主から挨拶をします。時間が長くならないよう、参列のお礼を中心に手短に済ませることが大切です。参列者に年配の方がいらっしゃる場合には、配慮を忘れてはなりません。
納骨対応する
墓石の場合、一般的に遺骨は墓石下のカラートを開けて遺骨を納めます。遺骨の並べ方に決まりはありませんが、新しい遺骨を手前に納めることが一般的なマナーです。
また、地域によっても遺骨の納め方が異なり、関東では骨壺ごと、関西では納骨袋に遺骨を入れて納骨する風習があります。地域や宗派によって納骨方法が異なるため、あらかじめ家族や親族、寺院などに確認しておきましょう。
読経・焼香
納骨後は、僧侶による読経「納骨経」が始まります。この際、参列者による焼香がありますが、多くの場合は僧侶が合図をしてくれるので、安心して待ちましょう。
喪主から始まり、故人と縁が深かった人へと引き継がれ、それから友人知人の順に焼香をします。宗派によって異なりますが、読経は30分から1時間程度です。屋外の場合は、天候への配慮もしておきましょう。
会食前の挨拶(会食をする)
納骨後に会食をする場合、献杯の挨拶をする前に、必ず位牌の前に盃を用意し、お酒をついでおきます。食事の準備が整ったら、喪主は参列者へ向けて感謝の言葉を述べ、挨拶をしましょう。挨拶の締めとなる献杯は、静かな唱和に留めておきます。拍手や盃を高く上げるような動作はマナー違反です。
また、宗派によっては会食に僧侶も参加する場合があります。会食の事前予約では、食事の数が不足しないように、十分注意しておいてください。
引き出物を渡す
参列者への引き出物は、かさばらないものを準備することが望ましいでしょう。一般的な相場は3,000円から5,000円ほどです。海苔やお茶、そうめん、タオルなどを準備する喪主が多くなっています。
会食をおこなった会場の出口付近で、参列者一人ひとりに感謝の言葉を伝え、引き出物を渡しましょう。この際も、忌み言葉に注意し、参列者の足を長く止めないよう簡潔な言葉に留めておいてください。
納骨式の案内状を送るタイミングと内容
納骨式をおこなうときは、参列者の人数を確認するため、納骨式をおこなう1ヶ月前には案内状を送りましょう。親族など身内の関係性によっては、事前にお知らせしなければなりません。ここでは、納骨式の案内状について、詳しく解説します。
案内状を送るタイミング
納骨式の日程が決まった時点で、早急に案内状を作成し郵送しましょう。日数に余裕のないお知らせは、参列を希望する人に苦慮させてしまうことが考えられます。
そのため、少なくとも納骨式をおこなう1ヶ月前には案内状を送付するべきだといえます。
案内状の書いておくべき内容
納骨式の案内状には7つのことを忘れずに順番に記入していきましょう。
- 1.時候の挨拶
- 2.葬儀へ参列いただいたお礼
- 3.故人が生前お世話になったことへのお礼
- 4.納骨式のお知らせ
- 5.会食(お斉)の予定
- 6.お墓の場所
- 7.納骨式の日時
このような流れで記載していくと伝わりやすい案内状となります。別途、服装など参列者に伝えておきたい内容があれば、案内状へ記載しておきましょう。
案内状を書くときの注意点
納骨式の案内状を書くときには、3つのことに注意しておきましょう。
- ●納骨式の日程や場所は、わかりやすく記載する
- ●文面には句読点をつけないほうが良い
- ●返信用封筒を同封する
法要の目的や日程、場所はわかりやすく記入し、会食(お斉)や服装についての配慮も忘れないようにしましょう。
納骨式だけでなく、法要や法事の案内状を書くときには、句読点をつけない方が良い場合があります。日常的に使わない言葉を多く使う案内状では、句読点をつけると相手に読みにくいと感じさせてしまうためです。
古いしきたりで、「式が途中で途切れないように」という意味が込められた経緯があります。こだわりがなければ、句読点を用いず案内状を書きましょう。
また、案内状は出欠の返事をもらう必要があるため、必ず返信用封筒を同封しましょう。近年は、メールアドレスを記載して、メールで返事をもらうことも増えてきています。TPOを考えて案内状を送付した方が良いでしょう。
納骨式を終えたあとの対応
納骨式へ参列できなかった親族や関係者へ、納骨式を無事に終えたことを伝える手紙を送付することも、納骨式におけるマナーの1つです。納骨式を終えたときの手紙について、詳しく解説するので忘れないように準備しましょう。
親族など参列していただいた方へ感謝の手紙を送る
納骨式を終えたら、すぐに納骨式が終わった旨と併せて、参列者へお礼の手紙を送付する準備をしておきましょう。
近年は、メールなどで済ませてしまう場合もありますが、参列していただいたお礼の言葉となるため、不快な思いをさせることがないようにしなければなりません。日頃からメールで連絡を取り合う仲でない限り、手紙でお礼を伝えたほうが良いといえるでしょう。
参列できなかった親族へ手紙で納骨を終えた報告をする
納骨式が終わった旨を手紙で報告するときは、4つのポイントを忘れずに記載しておきましょう。
- 1.納骨を終えたことの報告
- 2.故人が生前お世話になったことへのお礼
- 3.お墓の所在地
- 4.記載した日の年月日と喪主の名前や住所
納骨をおこなった日付とともに、無事に納骨を終えられたことに対して改めて感謝を述べ、お墓の所在地を記載します。最後に案内状を記載した日付などを記載しますが、このときの年月日は元号で記入することが一般的です。
お墓の場所を伝えておく
納骨式を終えたら、近親者や故人が生前お世話になった方々などに、お墓の場所を伝えておきましょう。「お時間が合えばお墓参りにきていただければ」という言葉と共にお墓の場所を伝え、相手の気持ちへの配慮を忘れないことが大切です。
また、葬儀に参列できなかった人や訃報を知らせることができなかった人へお墓の場所を伝えるときには、故人の生前における感謝を伝えるとともに、葬儀や納骨式の日を含めてお墓の場所を伝えると良いでしょう。
納骨式を家族のみでおこなう場合は、事前に挨拶を済ませる
家族だけで納骨式をおこなうときには、親族や故人が生前関係があった方へ、事前に挨拶を済ませておきましょう。納骨式など法要や法事は、家族が良ければそれで良いというわけではありません。
のちにトラブルとなってしまう可能性があるため、家族だけの納骨式であっても、事前の挨拶は必須であると考えておく必要があるのです。
親族や家族など周囲の関係者に連絡する
納骨式をおこなう日取りが決まったら、親族や故人と生前関係があった方などへ、家族だけで納骨式をおこなう旨の挨拶状や連絡をしておきましょう。親族や関係者のなかには、納骨式に参列したいと思っている方がいることも考えられます。
事前に家族だけで納骨式をおこなう旨を伝えておかなければ、「なぜ教えてくれなかったのか」などトラブルに発展する可能性があるため、事前の挨拶は必ずしておきましょう。
菩提寺があればご住職に伝えておくのも良い
家族だけで納骨式をおこない読経を省く場合は、菩提寺へ連絡しその旨を伝える配慮をしておいた方が良いでしょう。相談もなく納骨式で読経を省くことは、菩提寺に対して失礼にあたり、今後のつきあいに影響を及ぼす可能性があります。
菩提寺を含めた寺院があるなら、納骨式の予定を相談し、読経を省くことに対して理解を得ておくことも大切です。
納骨式のことならゆめみどうで相談してみよう
納骨式で喪主がおこなう挨拶は緊張してしまい、うまく言葉が出ない可能性があります。挨拶では慣れない言葉を使ったり、忌み言葉を避けたりするため、挨拶するタイミングごとに、適切な文章を考えておくことが大切です。
納骨式の案内やお礼状は、親族や故人が生前お世話になった方への配慮でありマナーでもあります。家族で納骨式をおこなうときは、その旨を事前に知らせておかなければ、のちにトラブルになってしまう可能性があるので、注意しておきましょう。
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