「納骨堂の種類ってどれだけあるの?」
「納骨堂は種類によって何が違うの?」
納骨堂は、遺族のニーズに合わせて様々な種類があります。
そのため、どのタイプの納骨堂を選んだらよいのか迷う方が多いのではないでしょうか。
この記事では、納骨堂の種類ごとの特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。自分や家族が納得できる納骨堂選びになるよう、参考にしてください。
目次
納骨堂の種類は5つ
納骨堂の種類は主に5つに分けられます。
納骨堂とは、遺骨を骨壺に納めたまま納骨できる屋内施設です。
お墓の管理が施設側に任せられること、都心や駅前などのアクセスのよい場所にあることが魅力です。
一般的なお墓に比べ経済的、肉体的に負担が少ないこともあり、従来のお墓ではなく納骨堂を選ぶ方が増えてきています。
遺骨の納骨先を納骨堂にしようかと考えたとき、選択肢が多くあり悩む方もいるでしょう。ここでは、5種類の納骨堂の特徴とメリット、デメリットについて解説します。
納骨堂について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にして下さい。
自動式
自動搬送式は最新の納骨堂の一種であり、手軽にお参りできる納骨堂といえるでしょう。
自動搬送式の納骨堂は、一般的に高層ビルや大規模な施設に設置されています。
都心部に多く見られ「ビル型」「マンション型」とも呼ばれます。
専用カードを機械に通して、タッチパネルを操作することで、ご遺骨が自動的にお参りスペースに運ばれてきます。
そのため、遺骨は厳重なセキュリティ対策の下で保管されつつも、家族や友人が訪れたときにはすぐにお参りができます。
自動式のメリットは、お参りにはICカードを持っていくだけでよいこと、高いセキュリティ対策がされていること、都心部のアクセスのよい場所にあることです。
デメリットは、都心部にあることが多いため、費用が比較的高くなる傾向があることです。
ロッカー式
ロッカー式は、駅中にあるコインロッカーのように、ロッカーが並んでいる納骨堂です。
ロッカーには個別の鍵が付いています。
また、ロッカー式と同じ構成で、扉のない棚タイプは、「神棚式」と呼ばれます。
しかし、ロッカー式の納骨堂は少人数向けであり、大人数の遺骨を納めるには適していません。
ロッカー式のメリットは、費用面での負担が少ないこと、ロッカー内に遺影や思い出の品を置けること、都心部のアクセスのよい場所にあることです。
デメリットは、大人数の納骨はできないことが多いことです。そのため、最初の費用は抑えられても追加で納骨堂を契約しなくてはならず、結果的には多くの費用がかかってしまう場合があります。
仏壇式
仏壇式納骨堂は、仏壇に似た外観を持ち、ご先祖様の遺骨を安置することができます。
「霊廟型」と呼ばれることもあります。
仏壇式の納骨堂は上下の2つから構成されています。
上段が仏壇、下段が遺骨の保管場所です。
上段の仏壇部分には、ご位牌や遺影などを置くスペースがあります。
仏壇の装飾に費用がかかるため、他の種類と比べると少し高価ですが、他の納骨堂より多くの人数がはいれることや仏壇に向かって手を合わせられるところが魅力です。
仏壇式のメリットは子どもにお墓を継がせられること、比較的多くの遺骨が納められることです。
また、なじみのある仏壇がある空間でお参りができるため、納骨堂への違和感が和らぐ効果が期待できます。
デメリットは、費用が高額になることです。仏壇の大きさや装飾の華やかさによって費用は異なります。
位牌式
位牌式では、寺院の納骨堂に多く見られる形式で、位牌は本尊の周りにまとめて並べられます。
位牌式は、遺骨の入った骨壺と位牌を別の場所に安置するタイプと、位牌と骨壺を一緒に安置するタイプがあります。
位牌式のメリットは、寺院が管理していることが多く、供養を安心して任せられること、費用の負担が少ないことです。
デメリットは、位牌は施設で決められた形のものに限定されることが多いため、すでに作っておいた位牌を利用できない可能性があることです。
また、参拝スペースがなく家族だけの空間でお参りができないことがあります。
墓石式
墓石式の納骨堂は、屋内にある一般的なお墓のイメージです。
一般的なお墓と同様に墓石がありますが、建物内にあるため天気の影響を受けません。
そのため、墓石はきれいな状態が保たれ、お参りも天候に関係なくできます。
また、お花やお線香をお供えすることもでき、通常のお墓にちかい状況でお墓参りができます。
しかし、他の納骨堂と違い墓石代がかかるため高額です。
墓石式の納骨堂は、従来のお墓のイメージを持っている方に適しています。
墓石式のメリットは、一般的なお墓と近い状況でお参りができることです。
デメリットは、費用が高額になることです。
墓石代や管理料や永代供養料などをあわせると、墓地にお墓を建てるのと変わらない費用がかかる可能性があります。
納骨堂の価格
納骨堂にかかる費用は、基本的には永代供養料や年間管理費です。
施設によっては、銘板彫刻料や戒名料、お布施代などがかかる場合もあります。
しかし、一般的な墓の購入価格の平均は169万円です。
一方で、納骨堂の購入価格の平均は91.3万円とお墓の約2分の1の費用で購入できます。
納骨堂は、一般的なお墓より費用がかからないことがメリットです。
さらに、立地がよく納骨堂の種類もさまざまな選択肢の中から選べます。
しかし、施設によって費用は異なるため、納骨堂の価格については、契約前に確認することが重要です。複数の施設を比較検討し、納骨堂の利便性や設備、費用などを比べてみることをおすすめします。
納骨堂を選ぶメリット
納骨堂を選ぶメリットについて解説します。
納骨堂はお墓の管理をしなくてもよいことや、お墓に比べて費用がかからないというメリットがあることをご存じの方は多いのではないでしょうか。
しかし、それ以外にも納骨堂が選ばれる理由は多くあります。
なぜ納骨堂が選ばれるのかを知り、自分の希望に合うか確認しましょう。
お墓をたてるより費用が抑えられる
納骨堂は墓石を必要としないため、費用が抑えられます。
一般的にお墓代は、土地より墓石の方が高額だといわれます。
そのため、納骨堂はお墓を建てるより経済的負担が少なくて済むのです。
アクセスのよい立地にある
納骨堂の多くは、ビルや大きな建物内にあります。
そのため、アクセスのよい場所にある納骨堂が多くあります。
高齢者の方や忙しい人には、駅近くの立ち寄りやすい場所にあることは魅力的でしょう。
納骨堂はお墓参りに行きやすい場所にあることもメリットです。
天気を気にせずお参りができる
一般的なお墓ではお参りをちゅうちょする天気の日でも、納骨堂は屋内にあるため問題ありません。
天気や気温に左右されず、お参りに行こうと思ったときに行けることは、納骨堂を選ぶ理由の一つになるでしょう。
お墓の管理が不要
納骨堂はお墓の管理が必要ありません。
地方の過疎化や核家族化が進み、現代はお墓の管理が難しくなっています。
そのためお墓の管理をせずに済むことは大きなメリットといえるでしょう。
宗教・宗派が不問の納骨堂が多い
納骨堂の多くは、利用者の宗教や宗派を限定していません。
誰でも利用できることは大きなメリットです。
もし、特定の宗派が管理する寺院墓地を利用する場合には、檀家になるための入檀料やお布施などが必要になるケースがあります。
負担する費用の面からも宗教、宗派がないことはメリットといえるでしょう。
ペットも一緒に納骨できる
家族同様のペットと同じお墓に入りたいと希望する人にも、納骨堂は選ばれています。
家族のお墓であれば、ペットをお墓に入れるためには親族を初めお墓の関係者に、許可を得なければなりません。
しかし、納骨堂の中にはペットと一緒に納骨してもらえるプランも用意されています。
利用者のニーズにあわせて、豊富なプランから選べるところも納骨堂のメリットといえるでしょう。
直ぐに合祀にはしたくない
納骨堂では、契約期間は個々に供養し、契約期間が終了したら、永代供養に切り替えることができます。
継承できないときは永代供養ができる
納骨堂には、永代供養が付いた納骨堂もあります。
永代供養とは、施設の管理者に永代に渡って供養してもらうことです。
しかし、永代供養付納骨堂を利用するときの注意点があります。
いずれ合祀されることがほとんどだということです。
合祀されると他の人の遺骨と一緒に納骨され、家族の遺骨を区別ができなくなってしまいます。そのため、あとから取り出すことはできません。
合祀を好まない方にとってはデメリットになりますが、お墓の継承者がいなくても納骨堂を利用できます。
お墓を継ぐことはできないけれど、人並みの供養はしたいと願う方にはすぐに合祀されないことは大きなメリットではないでしょうか。
納骨堂のデメリット
納骨堂のデメリットについても解説します。
納骨堂は、従来のお墓と形やお参りの仕方が違うため、違和感を覚えることもあるでしょう。
次の3つが納骨堂のデメリットだと考えられることです。
対策もあわせて紹介しますので、参考にしてください。
- 埋葬スペースが狭いなど、狭く感じてしまうことがある
- 混雑する時期は参拝や道路が込み合うことがある
- お墓を受け継ぐ場合には、一般的なお墓を購入した方が良いこともある
納骨堂は屋内にあるため、屋外にある従来のお墓に比べて窮屈に感じるかもしれません。
また、お盆やお彼岸などのお参りする人が集中する時期には、お参り順番を待ったり、近隣の道路が渋滞したりする可能性があります。
最近の納骨堂は、ホテルライクな雰囲気を持つ施設も増えています。
納骨堂を暗くて狭いと感じる場合には、上記のような施設を選べば明るく清潔感のある空間でお参りすることができるでしょう。
また、込み合う時期はありますが、時間帯や日程を調整してお参りをしてみてはいかがでしょうか。納骨堂は立地条件の良い場所にあり、利用時間も長いため他の人と被らない時間でお参りすることも可能です。
最後に、納骨堂に納められる人数が定められている納骨堂が多くあります。
そのため、納骨堂を家族で代々受け継いで行く場合、一般的なお墓を選択したほうが費用がかからない場合があります。
それは、お墓には人数制限がないためです。納骨堂を後世に受け継いでもらいたい場合には、人数制限のない納骨堂か、初めから大人数が入れる納骨堂を検討すると良いでしょう。
「納骨堂を選んだけれど、やはりお墓のほうが良かった」とならないように、デメリットも知っておきましょう。
納骨堂以外の納骨先
納骨堂以外の納骨先を紹介します。
埋葬方法は個々の希望や価値観により多様化しており、埋葬先の選択肢は増えています。
ここでは、お墓、樹木葬、永代供養、散骨、自宅供養など、それぞれの特徴について解説します。
故人の意思や家族の希望を考慮し、最適な納骨先を選びましょう。
お墓
お墓は、日本人が一番イメージしやすい納骨先ではないでしょうか。
お墓は、墓地に墓石を用意し、その下に遺骨を納骨します。
先祖から受け継がれてきたお墓は「家族墓」や「継承墓」と呼ばれることもある、家族の絆を感じられる大切な場所です。
そのため、家族でお墓を守っていきたい、従来の方法で供養したいという方に選ばれています。
また、お墓を建てる土地や墓石などをどうするのか自分たちで選択できます。
費用は希望するお墓によって異なりますが、デザインなど家族や故人の思いに合ったものを建てられます。
しかし、費用相場は180万円と高額です。
お墓を選んだ場合、お墓の建立費用だけでなくお墓の維持費や管理が必要になり、他の納骨方法に比べ金額が高くなります。
また、自分の世代では大丈夫でも後継ぎがいなくなれば、墓じまいを検討しなければならない点も理解しておきましょう。
樹木葬
樹木葬は、樹木を墓標としてその下に納骨する方法です。
墓石の掃除といった維持管理が必要でない施設も多く、費用負担が少なく、お墓の継承者も必要ありません。
自然の中に埋葬されるため、故人もお参りに来る家族も日本の四季を感じられることが魅力です。しかし、新しい納骨方法であるため、遺族や親戚の了承を得る必要があります。
樹木葬には、次の3つのタイプがあります。
都市型・公園型 | シンボルツリーの周りに納骨する。墓標を一人ずつ建てる場合と、墓標がなく一緒に納骨する場合がある。 |
ガーデニング型 | 納骨堂や霊園の植物に囲まれた場所に納骨する。 |
里山型 | 都市部から離れた山林などに納骨する。区画が広いため、墓標が分かりにくいことがあるが、最も自然の近くに納骨できる。 |
樹木葬の費用相場は、70万円です。
メリットは、低料金であること、宗旨、宗派不問の施設が多いため、利用しやすい点です。
デメリットは、施設によって骨壺と骨袋のどちらを利用するかが違います。
骨袋の場合、土に還るため遺骨を取り出せないケースもあります。
また、里山型の場合には、郊外で納骨されることが一般的なため、お参りするのに時間がかかってしまうことや、高齢の方はお参りができなくなることなどが考えられます。
永代供養
永代供養とは、寺院が家族の代わりに永代にわたり供養することです。
家族がお墓の維持管理をしなくてよいため、お墓を継承する人がいない場合に、おすすめの納骨方法です。
永代供養の費用相場は、20万です。
寺院での永代供養は墓石を建てなくてよいため、かかる費用が少なくてすみます。
また、お墓に費用をかけたくない方や、菩提寺と今後付き合いをしたくない方からも選ばれています。
一方、永代供養は個別墓石や位牌がないため、故人との距離が遠く感じてしまうこと、納骨後はすぐに合祀され遺骨を取り出せないことなどのデメリットがあります。
散骨
散骨とは、遺骨をパウダー状に砕いて希望する場所に撒く方法をいいます。
主な散骨先としては海にまく海洋散骨や、山にまく山岳散骨があります。
さらに近年では、宇宙葬や空にまくバルーン葬など選択肢が増えています。
費用は、散骨方法によって異なりますが、お墓への埋葬に比べると費用はかかりません。
また、宗派宗旨には問われず、慣習にとらわれることもありません。
傾向として、海への思い入れが強い方や、自然志向の方におすすめの納骨方法です。
お墓の負担がないことや、故人が好きだった場所や希望していた場所に散骨するケースがみられます。
しかし、散骨後はお墓参りができず、残らないことから、遺族や親戚に反対される可能性があります。周囲の理解が必要です。
自宅供養
自宅供養とは、故人の遺骨をお墓に納骨せずに自宅で供養することをいいます。
自宅供養は、手元に置いて故人を近くで供養したい方や、永代供養、散骨などの遺骨を残せない納骨方法と一緒に選ばれることがあります。
小さな骨壺を用意すれば場所もとらず、自宅の雰囲気にあわせて供養もできます。
納骨場所まで行く必要がなく供養できること、故人と近くにいられることがメリットです。
ただし、遺骨が身近にあることをいいと思う人ばかりではありません。
自宅供養は家族の理解を得ることが重要です。
また、自宅供養していた人が管理できなくなったときのことも考えて、最終的な納骨先を決めておく方がよいでしょう。
納骨堂を選ぶときには情報収集が大切
納骨堂の種類について解説しました。
納骨堂の中にも多くの選択肢が存在します。
それぞれの特性を理解し、自分や家族の希望に合った納骨堂を見つけることが大切です。
そのために、気になる納骨堂の情報収集から始めてはいかがでしょうか。
ゆめみどうは、400年の歴史を持つ「龍澤寺」に新設された納骨堂です。
機械式の納骨堂は、ICカード1枚で参拝できる手軽さと、セキュリティの高さが魅力です。
納骨堂をお探しの場合は、お気軽にお問い合わせください。